いつか犬を飼いたいと思った私が『犬を飼うのはやめなさい』を読んで気づいたこと
いつか犬を飼いたい!!!
インスタやThreadsを開くと、犬と猫の投稿ばかりが流れてきます。可愛くてたまらないから、犬や猫ばかり「いいね」をしているからなんですけどね。
投稿主のみなさん「うちの可愛い子を見てー!」と、可愛い子の、さらに可愛い瞬間の動画や写真をあげてくれるから、可愛いだらけなんですよ。ふわふわの毛並みやまっすぐな瞳を見ていると、自然と笑顔になっています。
可愛い!可愛い!可愛い!
するとそのうち「保護犬」の投稿を見かけるようになりました。
更年期と子どもの自立、静かに増える“ひとり時間”
更年期のせいなのか、最近、ふとした瞬間に寂しさを感じます。
子どもたちも順調に大きくなり、部活で帰宅も遅い。休日も部活やら友達と遊ぶやらで、とにかく家にいない。家族よりも外の世界、うん、成長しているしている。
静かにひとりの時間が増えていく。
口うるさいと嫌がられるのでグッと堪えることも増えていく。
更年期の私の母性がくすぶってしまっていました。
そんな時に出会った保護犬。
私の脳内では「愛されたい犬」「ご主人を必要としている犬」と「母性を持て余している私」は最高のカップルなのではないかと変換され、もう可愛いが止まらない!
『犬を飼うのはやめなさい』を読んで落ち着いた気持ち
それでも、自分が鍵っ子だったこともあり、お留守番ばかりじゃ可哀そうだと思い、もし保護犬をお迎えするなら定年退職したあとかなと妄想していました。
でも可愛いは止まらない!
いつかお迎えするその日のために今できることをやろうと考えて、犬を飼ったことがない私は、犬を飼うための本を読んでみることにしました。
「保護犬」で検索した時に出てきたいくつかの本の中にあったのが、岸良一さんの『犬を飼うのはやめなさい』という本でした。ビックリしました。どういう意味だろう?犬カワイイが止まらない私は好奇心でこの本を読んでみることにしました。
久しぶりに一気読みしました。先を読みたくてたまらない。久々の感覚です。ページをめくるたびに心が動かされました。
犬を飼うのは大変なんだよ、やっぱやーめた、はできないから、犬の真実を丁寧に教えてくれる本でした。犬を飼ったことがない私は、とても勉強になりました。
その中でも「犬がビジネスになっている」という現実に驚きました。
もちろん、真摯に活動されている方がたくさんいることも知っています。ただ善意だけでは成り立たない世界があるんだと知って、単純に「困っている犬を助けてあげたい」と思っていた自分の浅はかさを少し恥ずかしく思いました。
犬の本当の姿を知ること
本を通して学んだのは、犬の“かわいさ”ではなく“現実”でした。犬には性格があり、生活リズムがあり、犬種ごとに特性があります。それを理解したうえで一緒に過ごしてこそ、犬も人も幸せに暮らせる。そのことを、この本で初めて深く考えました。
イギリスでの里親紹介のシステムです。それは日本とはずいぶん違っています。
里親希望者が「この犬がいいです」と選べるようなシステムは一般的ではありません。保護団体が里親希望者から家族構成、収入、生活環境、犬に使える時間、といった要素をヒアリングして、保護している犬のリストと照らし合わせる。そのうえで「この家なら、この犬がいいだろう」と選んだ犬を渡すのが普通です。他の犬は見せることさえありません。
『犬を飼うのはやめなさい』(ドッグライフプランナーズ代表 ドッグトレーナー 岸良一著)より抜粋
上記以外にも印象に残った言葉がいくつもあります。
「犬を飼うのは、家の中にストーカーが同居するのと同じ」
「犬の世話は子どもの2倍かかります」
「大型犬を飼うなら35歳まで」
どれも覚悟を問われるような言葉ばかりでした。
大型犬を飼うなら35歳までというのは、大型犬の寿命が15年ほどだと考えると老犬になった時には自分はそろそろ50歳。何かあって病院へ行かなければいけない時に、抱きかかえてあげられるのは50歳くらいまでが限界なのでは、ということが書かれていて、大型犬に憧れていた私はすごく考えさせられました。
「それでも一緒に生きたい」と思えるようになって、ようやくスタートラインに立てるのだと感じました。
“飼わない”という選択も、ひとつの優しさ
本を開いた1ページ目にこのように書いてあります。
「犬を飼わない人生もありますよ」
本を読んで冷静になって考えると、私は自分のことしか考えてなかったなと反省しました。愛してくれるご主人がいれば、必ず犬が幸せになれるわけではないこと。
ちょっと子育てとかぶるところがあって、今の私にはかなり胸に響きます。
相手が求めるものを与えられなかったら、自己満足でしかないなと。
犬を飼わなくても、犬と関わる方法はあるということも、知ることができました。保護犬施設での散歩ボランティアがあることを知った時はワクワクしました。
私が小学生の時はまだ、犬を外で飼っているお家もたくさんありました。小学校中学年くらいの時に友達と、近所で犬を飼っている人に頼んで犬の散歩をさせてもらったことを思い出しました。あの時のワクワク感、忘れられないですね。
本で紹介されていたファミリーケアホームシステムもとても興味深いです。大型犬を飼うために筋トレしようかと思うほど可愛い!時間やお金に余裕があるなら、そんな関わり方をしてみたい。
“愛する”にもいろんな形があるんだなと知れました。
命を迎えるには、覚悟と現実を知ることから
保護犬を助けたいと思っていたけれど、実は私のほうが救われたかったのかもしれません。
子どもが巣立ち、自分の時間が少しずつ増えていくこれから。いつか犬と関われたらいいなと、それでも思います。焦らず、でも誠実に。
もし、動物を飼ったことがなけど飼ってみたいな、でも漠然とした不安がある人は、岸良一さんの『犬を飼うのはやめなさい』をぜひ読んでみてください。オススメです。
↓この本も保護犬のことが細かく書かれていてとても勉強になりました
